医師バイトの種類・内容と経験談 【時給日給相場も解説】
医師バイトの給料相場は?
どんな種類のバイトがあるの?
実際の医師バイトの体験談は?
医師バイトをどうやって探せばいい?
この記事を書いているボクは、スポットも含めれば20以上の医療機関でアルバイトをした経験があります。
医師のアルバイトの体験談については、ネットにはほとんど出ておらず、ごく親しい知人や先輩の話を聞く程度しか情報がないですよね。
今回の記事は、これからバイトを始めたいという医師の方に向けて、経験者だからこそ書けるバイト体験談や、バイトを始める前に知っておきたいことについてどこよりも詳しく解説します。
それではどうぞご覧ください。
タップできる目次
これだけは知っておくべき医師バイトの基本
まず最初に、はじめての先生に向けた基礎知識を簡単に紹介します。
- 日勤の時給相場は1万円
- 定期非常勤とスポットバイトがある
日勤の時給相場は1万円
気になるお給料ですが、日勤の場合、1時間1万円というのが基本的な相場です。
ただ、これは科や医療機関の形態などによっても変化します。
実際にはどんなものか、ということはという記事に実例込みで紹介しています。
定期非常勤とスポットバイトがある
一口に「バイト」といっても、「定期非常勤」と「スポットバイト」の2つがあります。
定期非常勤というのは、例えば「毎週月曜日の午前中」などのように、あらかじめ決まった日程で仕事をする契約です。
もちろん、毎週ではなく隔週や、月に1回の契約もあります。
それに対してスポットバイトは、「臨時で勤務する単発の仕事」というイメージです。
1日もしくは数日だけ働くことを指します。
医師が足りなくなる期間が決まっている場合、例えば常勤医師が夏休みや有給をとるとか、学会で不在とか、年末年始とか、そういう場合に募集される形態です。
すき間時間を活かせるというメリットがありますが、はじめての医療機関でありスタッフとも初対面でコミュニケーションがとりにくい、設備がわからないなどといったこともあります。
どのような医師バイトがあるのか
勤務形態の次は、どんな仕事があるのかを見てみます。
求人が多いものとしては次のようなものがあります。
- 健診&人間ドック
- 一般病院の日当直
- クリニックや小さな病院の外来
- 訪問診療
それぞれ順番に説明します
求人が多いアルバイト①: 健診&人間ドック
健診や人間ドックは、春や秋に多いと思われがちですが、実は夏にも多く実施されています。
健診&人間ドックのアルバイトのメリットは、何といっても単価の高さとスキマ時間に行える気軽さです。
なぜなら、健診や人間ドックは半日以内の勤務となることが多く、それでいて1回あたり5~8万円程度とやや高めに設定されていることが多いです。
拘束時間が短い一方で時給は高いので、手軽に副収入を得たいと考えている先生におすすめです。
限られた時間で多くの患者さんの診察が必要な健診は、若手医師のスキルアップの場としても適しています。
経験を積むことで、収入アップとさらなるスキルアップのまさに一石二鳥になります。
求人が多いアルバイト②一般病院の日当直
一般病院の日当直は、健診&人間ドックと並んで求人が多いです。
特に常勤医師が長期休暇をとる夏の期間は、慢性的に人手不足になるので、お盆の時期に3日間くらいの「ほぼ寝当直」で数十万円という非常に高い報酬を提示する求人も多くあります。
都市部より地方で高水準の給与を保証する医療機関が多く、飛行機などの交通費が別途支給されるケースも多いので、遠方でリフレッシュがてら大きく稼ぐことも可能です。
求人が多いアルバイト③: クリニックや小さな病院の外来
ほとんど休んでいないと思われがちな開業医の先生は、実際にはバイトの医師にクリニックの診療を任せて長期休暇をとるケースも珍しくありません。
こうした場合の報酬は、1日の外来診療で5~10万円ほどが相場です。
コンタクト処方外来はそれに特化しており、やや高めの時給1.2万円程度が相場です。
平日の日中に行うことができるので、ライフイベントなどで常勤できない女性医師に人気です。
また、一般病院で働く若手医師にとっては、いわゆる“common disease”の経験値を高めることができるでしょう。
将来的に開業をめざしている医師にとっては、開業医勤務の予行演習ができる絶好のチャンスです。
求人が多いアルバイト④: 訪問診療
ニーズが増えているのに医師は足りない、その代表格が訪問診療です。
訪問診療自体は多くの医師にとってあまり経験がないことですが、病棟管理や外来診療がそれなりにできれば、30代前半くらいから募集があります。
未経験からでもOKです。
お宅を訪問するケースと、施設を訪問するケースがあります。
なり手が少ない分、報酬は少しアップし、1日8-10万円くらいです。
その他の求人例
決して多くはないもの、確実に需要のあるバイトもあります。
待機時間が多い透析管理
人工透析を受けている患者さんは少なくありません。
そういった透析の管理をするバイトは、待機時間が長く自分の時間に使うことができ、それでいて報酬も高めです。
透析の設定は「前回と同じ」というケースが大半であり、穿刺もその施設の看護師が受け持つことがほとんどで、医師の仕事はごく簡単な診察と何かあったときの対応です。
専門技術がいきる外科のスポットアルバイト
外科系の先生に手術をお願いする求人もあります。
勤務条件は医療機関により異なりますが、手術の助手のみを行う数時間の勤務もあれば、日当直などを含んだ長時間勤務もあります。
普段は出入りしていない医療機関の手術助手をすることで、他施設での術式や細かな手技などを学ぶことができ、若手医師には自己研鑽の場になります。
熟練した医師の場合は、自身の手技などを他施設の若手医師に伝えてあげることもできるでしょう。
非日常を楽しめるイベント救護
希少ですが、音楽フェスタなどイベントの救護室待機の仕事もあります。
経験豊かな看護師さんがいるので、はじめての方でも問題ありません。
基本的に医療行為はできないので、手に負えない場合には救急車を呼んだり、病院受診を指示することがメインの仕事になります。
報酬は屋外の場合で8-10万程度です。
(日)当直バイトの体験談
大きな病院に勤務する常勤医にとって、当直はできれば避けたい業務です。
当直明けの日も通常勤務がありますし、当直手当はそれほど高くありません。
それでいて救急や急変でしばしば起こされます。
ただ、すべての医療機関の当直がつらいものではありません。
アルバイトなら常勤の医師がイメージするより「負担が少ない」ことが多いのです。
しかも当直バイトは時給も良く、大幅な収入アップにつながります。さらに病院にとって貴重な存在で、周囲から感謝されるポジションでもあるのです。
常勤医師の当直手当は、1回当たり15,000~20,000円ぐらいかと思います。
ところがバイトの場合、「寝当直」のケースで1回3-4万円、つまり常勤医師のほぼ倍になります。
当直バイトの勤務時間は「夕方5時から翌朝8時」というパターンなど、基本的に15時間のシフトのことが多いです。
しかし勤務時間はかなり融通がききます。当直バイトは深刻な医師不足に悩んでおり、応募してきた医師の要望を承諾してくれることが多いからです。
常勤先に出勤する都合上、午前7時には切り上げたいなどと希望をあらかじめ伝えておけば、病院側は最大限配慮してくれます。
また、病院によっては、当直バイトの手に負えないときにはいつでも常勤医を呼び出してよいと決めているところもあります。
ここまで書いた報酬などは、いずれも「寝当直」の場合です。
呼ばれることはほぼ無く、当直中にいつものように睡眠も取ることができます。
交通費や検食も支給されます。
もっと忙しい当直 (救急など) は、その分給料もアップします。
時給1万円の当直もありますし、救急車1台とると〜円、入院させると~円といったインセンティブが追加で支払われる病院もあります。
当直バイトは、ゆったりと寝当直をしたい先生にも、救急でガツガツしたい先生にも向いています。
ボクは民間医局やDr.あるナビ、リクルートドクターズ、医師バイトドットコムで紹介してもらいました。
予防接種の問診の体験談
予防接種はどちらかというと定期的な勤務というよりはスポットがメインです。
特に冬のインフルエンザの時期は、大量の求人が出ています。
ボクも2回やったことがあり、問診票に書かれている項目をチェックして、気になるところがあれば問診をし、問題なければ署名をするというのが仕事内容です。
実際の予防接種そのものは看護師がやってくれましたが、求人によっては医師自ら行うものもありますので、その点だけしっかりと確認しておくと良いでしょう。
クリニックにいく場合の他、会社に行ってそこの従業員に接種する場合の大きく2通りあります。
報酬は時給1万円が相場で、予防接種という性質上、短時間勤務となり時間を有効に使えます。
ボクはエムスリーで紹介してもらいました。
一般外来の体験談
一般内科外来を受け持っていた時期もあります。
これは定期非常勤で、週1だけ担当していました。
多いのは高血圧・糖尿病・脂質異常症といった生活習慣病のフォローです。
非常勤医師は主治医ではないので、あまり主治医の先生が出した薬を積極的に変更するということはなく、基本的には同じ薬を出すことになります。
報酬は時給1万円程度です。
臨床治験医師の体験談
たぶんかなり特殊だと思いますが、ボクが定期非常勤の仕事でもっとも良かったのは臨床治験でした。
治験といっても、その最初のフェーズIを担当していました。
フェーズIはご存知の通り健康な被験者が参加します。
およそ20~40歳の男性 (女性のこともありますが稀です) 5名程度に、資料を見ながらどのような薬でどういう副作用が懸念されるかを説明し、同意をいただいた方に健康診断を実施します。
若年男性なので健康診断では異常となることはほとんどなく、簡単な内科診察・胸部レントゲン読影・心電図判定がメインの仕事です。
被験者は負担軽減費というお金がもらえるから参加しているので、お客様気分の方はおらず、協力的な方がほとんどです。
3時間勤務で5名程度の担当で、当然ながらかなり時間が余り、その分は自由に使えます。
医局で待機している間も時給1万円でした。
Dr.あるナビから紹介していただいた求人です。
イベント救護医師の体験談
これもレアケースだと思いますが、イベント救護のバイトもしたことがあります。
治験は定期非常勤でしたが、イベント救護はスポットです。
8月下旬の日曜日、音楽フェスタが行われました。
たくさんの方が訪れるイベントらしく、ロック系の音楽のファンが朝から行列を作っていました。
救護テントに入ると、そこには3人の看護師さん達。
きくと、看護師さんはイベントのスポット勤務が得意な看護師エージェントに登録しているようで、イベント救護のベテランだし、医療機材もそのエージェントが既に用意してくれていました。
始まってみると、8月下旬という時期もあるのでしょうが、次から次に軽い熱中症疑いの患者さんがやってきます。
水を飲んでもらい、大型テントの中に用意した畳の上で扇風機にあたってもらうことくらいしかできることがありません。
他に多かったのはケガです。
しかしこれも消毒液と絆創膏、包帯しかないので、基本的には洗って消毒するだけです。
正直なところ、医師がいる必要性がある患者さんは来ませんでした。
この仕事の勤務時間は10時から19時までで、日当は10万円です。
バイトをどうやって探すのか
このように、これまでいろいろな種類のバイトをしてきました。
特に若い先生であれば、スポットの当直からやり始めるといいと思います。
夜の当直は常勤の先生があまりやりたくないけど、でも需要は常にあり、リハビリ・慢性期病院であれば寝当直であることも多いです。
バイトを見つける方法については、ツテを頼るというのも悪くないですが、より多くの求人を比較できることや、時間の大幅節約になることから、プロのエージェントに頼むといいでしょう。
専門のノウハウも持つエージェントは無料で利用することができ、具体的には
- 手厚いサポート・福利厚生が特徴の民間医局
- 医療経営士の有資格者が担当してくれるDr.あるナビ
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それぞれのエージェントの特徴については、医師バイト転職エージェントの正しい選び方 【11社を実際に使った医師がおすすめを徹底解説】という記事にどこよりも詳しく解説しているので合わせてお読みください。
まとめ
最後に、今回の内容をまとめます。
多様な求人があるので、エージェントを使えば自分にピッタリとしたバイトが見つかります。